研究ピックアップ
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電気電子工学コース 大路 貴久 教授
新しい磁気浮上システムとその応用
磁気浮上とは、電磁石や永久磁石、超電導磁石などの磁力を使って物体を非接触で支持する技術のことで、2027年に開業予定となっているリニア中央新幹線(超電導リニア)がとても有名です。物体を非接触で支持することにより、高速で運動する際の接触摩擦に伴う抗力や発熱を減らすことができます。我々の研究室では、最先端かつ特殊な磁気浮上方式の提案と、応用展開を見据えた磁気浮上システムの研究開発を行っています。写真は、アルミニウム製品に対する交流アンペール式磁気浮上システム、三次元移動用磁気浮上システムです。磁気浮上技術には、電気や磁気、力学、制御、プログラミング等の知識が必要となります。電気電子工学コースでこれらの専門知識を習得し、未来の磁気浮上システムを一緒に構築しましょう。
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知能情報工学コース 長谷川 英之 教授
超音波による生体組織の構造と
機能の高精度イメージング
超音波診断装置は、生体組織の形態および機能の非侵襲診断のために広く臨床において使用されています。さらに高精度な超音波診断を実現するため、我々は高速・高分解能な超音波イメージング法に関する研究を行っています。超音波イメージングの時間分解能は、いまや1kHzを超えており、他の画像診断技術であるCTやMRIの追従を許さないものがあります。このような超音波イメージングの特徴は、組織弾性計測や血流計測などの生体機能を高精度に計測するための大きな利点です。我々は、超音波による高精度な生体組織の機能イメージングを実現するために必要な超音波計測法や信号処理手法に関する研究も行っています。
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機械工学コース 神代 充 教授
人間の特性に基づく
生活支援ロボットシステム
日本では超高齢社会となり、福祉介護や生活支援といった分野においてロボットの活躍が期待されています。そのため、私どもの研究室では人間との握手やハグなどの接触を伴った身体的インタラクションを生成するロボットシステムの開発を行っています。このロボットシステムでは、人間の身体的インタラクション特性を解析し、その結果に基づくことで人間に違和感を与えることなく、人間が行っている様な身体的インタラクションをロボットに実現しております。さらに、この握手やハグなの身体的インタラクション動作を応用することで、まさに人間の様に物を手渡したり、抱きかかえたりする生活支援ロボットシステムの開発を目指しています。
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応用化学コース 會澤 宣一 教授
新しい機能をもつ
無機-有機ハイブリッド化合物で
安心・安全な社会の実現
現在、安心・安全で持続可能な循環型社会の構築がグローバルな課題となっています。金属イオンあるいは金属原子に有機化合物を結合させて合成する配位金属化合物は、金属と有機化合物の結合を制御することによって、きわめて高度な新しい機能をもたせることができます。当研究室ではこの特性を応用して、有害物質や希少元素を廃棄しないで空気中で繰り返し使用できる環境に優しく実用性の高い金属触媒や、食品の偽装・虚偽記載等を簡便に判明できる、食の安心・安全に役立つ光学活性配位化合物等を開発しています。皆さんも、化学の力で安心・安全で持続可能な循環型社会の実現に貢献してみませんか?
生命工学コース