富山大学工学部 機械工学コース 知能機械学研究室 Intelligent Mechanics Laboratory

研究紹介

変位拘束部材を有する弦の自由振動

エレベータ・ロープの揺れを拘束する部材を片側に配置した場合のロープの自由振動について、理論解を導出

概要
超高層ビルに設置されているエレベータにおいては,地震時の建物揺れに起因するロープ変位の増加が課題となっている.このため,ロープの揺れを抑制する変位拘束部材が用いられることがある.ここでは,ロープの片側に変位拘束部材が配置された場合の振動特性を把握するため自由振動について検討している.

結果
・振れ止め枠に作用する荷重をフーリエ級数展開し,各周波数成分に対する応答を重ね合わせることで,いくつかの条件で自由振動についての理論解を得た.
(ケース1)枠:衝突位置で均等配置,引張り位置:ロープ中央 ,ギャップ:あり
(ケース2)枠:ロープ長の1/N ,引張り位置:ロープ長の1/N,ギャップ:あり
(ケース3)枠:均等配置 ,引張り位置:ロープ長の1/N,ギャップ:なし

動吸振器を用いたエレベータ・ロープの横振動抑制

ロープが揺れ易い階付近にエレベータが停止している場合のロープ揺れを動吸振器により低減

概要
地震時や強風時の建物揺れに起因するエレベータ・ロープの横振動抑制を目的として,動吸振器による振動抑制方法を提案し,ロープが揺れ易い階付近にかごが停止している場合の釣合いおもり側のメインロープを対象として,数値解析およびモデル実験により検討している.(動吸振器の振動によりロープ張力が変動するため,動吸振器についての従来の設計手法は適用できない.)

結果
・動吸振器の固有振動数は,ロープ横振動の固有振動数の2倍程度が最適であることを確認した.また,動吸振器の減衰比は,質量比が増加するとともに大きくなる傾向があることを確認した.
・モデル実験においても,ロープの振動方向を1方向に制限できれば,動吸振器によりロープ揺れを1/2程度に抑制できることを確認した.

 

地震時のエレベータ・ロープ揺れリアルタイム解析手法の開発

地震時の超高層ビルの揺れによるエレベータ・ロープの揺れをリアルタイムに解析する簡易的な計算手法を開発

概要
超高層ビルに設置されているエレベータにおいては,地震時の建物揺れにより増加するロープ変位の検出や抑制が課題となっている.建物の上部および地表面の加速度データをもとに,かごが走行する場合のエレベータ・ロープの揺れをリアルタイムに解析する簡易的な計算法について検討している.

結果 ・建物上部および下部の加速度データをもとに,かごが走行する(ロープ長さが変化する)場合のエレベータ・ロープの応答をロープの張力分布を考慮した振動モード,刺激係数を用いたモード重ね合わせ法により,簡易的に計算する方法を開発した. ・種々の地震波(16波)と建物(7ケース)について数値解析を行った結果,メインロープは差分法による数値解析結果と誤差20%以内,コンペンロープは誤差+20%,-30%以内で推定できることを確認した.

一定長さで走行する弦の振動解析

走行ベルトのように長さが一定の場合の強制振動について、モデル実験および解析を実施

概要
両端が同位相または逆位相で正弦波加振される場合の走行ベルト(弦でモデル化)の強制振動について,理論解析,差分法による数値解析およびモデル実験を実施.

結果

走行するエレベータ・ロープの横振動解析

エレベータ走行に伴い、長さが変化するロープの強制振動についての理論解の導出と差分法による数値解析

 概要
 超高層ビルに設置されているエレベータにおいては,地震時や強風時の建物揺れに起因するロープ変位の増加が課題となっている.超高層ビルの固有振動数とロープの固有振動数とが近いため,走行により長さが変化する(固有振動数も変化する)ロープは,走行途中で共振することがある.このため,走行により長さが変化するロープの横振動解析を行い,走行速度とロープ最大変位等との関係を把握する.

結果
・走行速度一定,ロープ張力一様で長さが変化するロープを弦でモデル化し,一端または両端が変位加振される場合の理論解を得た.(数値解析の精度評価にも利用可能)
・理論解を基にした解析,差分法による数値解析およびモデル実験を行った結果,走行速度が速いほど最大変位発生位置が元の位置からずれ,最大変位は小さくなることを確認した.

 

冗長自由度ロボットアームの制御と運動解析

多解性を許容するロボットアーム制御法の構築,その運動の安定性解析

ロボットアーム作業では,作業環境の僅かな変化や不意の接触に対する適応性が課題となっている.作業に必要な変数のみを制御し,ロボット自身に動きの余力を残しておくことで生じる冗長自由度の適応性に着目する.この特性を効果的に用いる制御法および運動の安定性解析,接触に対して手先状態を維持するサービスロボットやロボット本体部が環境と接触せざるを得ない遠隔ロボットの実証実験を行っている.

  

 

メンバー紹介

木村 弘之

木村 弘之教授

Hiroyuki KIMURA, Professor

略歴

  • 東京大学大学院修士課程修了、(株)東芝   電力・社会システム技術開発センター研究員、富山大学大学院理工学研究部教授、現在に至る

学位・資格等

博士(工学)

専門分野

機械力学・制御

主な業績

  • 変位拘束部材を有する弦の振動解析
  • 動吸振器を用いたエレベータ・ロープの横振動抑制
  • 地震時のエレベータ・ロープ揺れリアルタイム解析手法の開発
  • 一定長さで走行する弦の振動解析
  • 走行するエレベータ・ロープの横振動解析
関本 昌紘

関本 昌紘講師

Masahiro SEKIMOTO, Lecturer

略歴

立命館大学理工学部ロボティクス学科卒業、立命館大学大学院理工学研究科情報システム学専攻(博士課程前期課程)修了、立命館大学大学院理工学研究科総合理工学専攻(博士課程後期課程)修了、立命館大学理工学部助手、立命館大学総合理工学研究機構ポストドクトラルフェロー、富山大学大学院理工学研究部講師,現在に至る

学位・資格等

博士(工学)

専門分野

知能機械学・機械システム

主な業績

  • 冗長自由度ロボットアームの制御と運動解析
木下 功士

木下 功士技術専門職員

研究業績

変位拘束部材を有する弦の自由振動

論文・発表

動吸振器を用いたエレベータ・ロープの横振動抑制

地震時のエレベータ・ロープ揺れリアルタイム解析手法の開発

一定長さで走行する弦の振動解析

走行するエレベータ・ロープの横振動解析

論文・発表

免震装置

冗長自由度ロボットアームの制御と運動解析

論文・発表

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