再生医療工学講座(2008.5 ~2024.3予定)
富山大学工学部 生命工学コース 再生医療工学講座(2008.5 ~2024.3予定) Laboratory of Advanced Tissue & Organ Engineering

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再生医療工学講座(2008.5 ~2024.3予定)

『機械で臓器が作れるか?』 生命工学による臓器再生への挑戦

研究紹介

研究室名称について:

*2008~2018年度:生体システム医工学講座 → 2019~現在:再生医療工学講座に改名 (~2023年度まで)

*2008~2018年度:生体システム医工学講座:生体を構成する重要な臓器システムを医工学的に設計/構築/再生する技術(生命を吹き込む医工学=再生医工学)の発展を目指して研究に取り組んできました。

*2019年度~現在:このように再生医工学で構築した生きた組織や臓器は、臨床で病気の治療に使うならば、生命を吹き込むことができる生きた人工臓器となります。ならば、それらを製品として医療現場に届けるための医工学技術が必要と考え、再生医療工学(=臓器製造プロセス工学=生命を届ける医工学)と改名し、必要と考えられる医工学技術の研究開発に取り組んでいます。

*大学の研究室は2023年度までの予定。

 

再生医療工学講座のご紹介

再生医療工学講座:紹介ムービー2020 をご覧ください。

再生医療工学講座:紹介ムービー2020

臓器を3次元造形する:3Dバイオプリンティング

臓器を作る3Dプリンター装置を開発して臓器を作る挑戦

3Dバイオプリンティング』とは、生きた細胞やたんぱく質などを工学的に3次元積層して生きた組織や臓器を作る、という再生医工学の中でも挑戦的な手法の研究開発を言います。このために開発された装置が3Dバイオプリンターです。生きた細胞やタンパク質など臓器を作るための材料(バイオインク)をコンピュータでデザインした設計通りに配置し、3次元積層して立体構造物を作製することを目指しています。

 私たちの体や臓器を構成する組織は、顕微鏡でなければ見えないほどの微細な構造を持っています。構成している細胞も目には見えません。そのような目に見えない細胞を操作しながら目に見えない微細な構造・構成を実現することは、研究者や技師さんの手作業ではとうていできることではありません。そこで私たちは、機械の手が必要と考えました。目に見えないほど小さな細胞であってもそれを扱うことができる機械の手を開発すれば、微細な構造を作ることができるはずだと考えたからです。

 [図 機械の手が必要]

そこで、我々が着目したのがインクジェットプリンターの技術でした。インクジェットプリンターはシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのインクをそれぞれピコリットルという極微量のインク滴にして場所、色、配合、密度すべてをコンピュータ制御で配置しながら写真画質の画像を印刷しています。この精密で高度な技術を利用すれば、きっと細胞を配置する機械の手になるぞ!と考え、独自の装置の開発を行いました。

 世界に先駆けて私たちが開発したインクジェット3Dバイオプリンターは、通常のインクの代わりに生きた細胞やたんぱく質などの生体材料を印刷します。3Dプリンターと同様に何層も積層することで3次元の構造が作ります。また、カラー印刷により複数の材料をそれぞれ任意の位置に配置します。それは多種の細胞・多種の材料で構成されている高度な臓器を作るためです。

[図 開発した3D Bioprinterと積層造形した2種の生きた細胞入り2重チューブ(緑:血管内皮細胞、赤:血管平滑筋細胞)]

 

『動画:紫色に染色したアルギン酸Na溶液のインクで直径1㎜の円を描きながら塩化Ca水溶液中に3次元積層しているところ(2009年Youtubeにアップ):https://youtu.be/g2ZTWHsO8l0 ]

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 このように始めた3Dバイオプリンティングの研究ですが、いま、10~15年経って、世界中で多くの研究者がいろいろな3Dバイオプリンターを開発しそれを用いて臓器づくりに取り組み始めています。

[動画:臓器の3次元バイオプリンティング; MRS Bulletinより]

https://youtu.be/i8uCs09BoNU

詳しくは、国立大学56工学系学部ホームページに解説しました。

ぜひ、ご参照ください。https://www.mirai-kougaku.jp/hot-news/pages/190125.php

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 また、一方で、3Dバイオプリンティングの研究は、新たな方向にも応用展開されるようにもなってきました。それは、「3次元組織モデル」の作製への応用です。

 現在、医薬品や化粧品の効き目や毒性の検査は細胞培養や動物実験で行われています。細胞培養はそれはそれで大事なのですが、生体の中の環境とまるっきり異なる2次元の培養環境なので、生体の中での実際の反応がわかりません。それで生体内の反応は、動物実験で調べるしかありませんでした。動物実験はやむを得ないとはいうものの動物の生命が犠牲になっています。近年、動物愛護の精神から、動物実験はできるだけ避けようという世界的な動きが盛んになってきています。そこで、注目されるようになったのが「3次元組織モデル」です。

 特に人の細胞で「3次元組織モデル」を作って検査できれば、動物ではなく人の生体内での薬の効き目や安全性を検査することができます。さらに病気の患者さん自身の細胞で作った「3次元組織モデル」は、患者さん自身の病気の原因や新しい治療法を試す研究にも貢献できます。(オーダーメイドメディシンには絶対に欠かせない技術です。)

 さらに、「機能する3次元組織モデル」を作ることができるようになれば、これまで工学的に作ることができなかったホルモンやたんぱく質などの医学的に有用な物質を、人工的に作った「3次元組織モデル」に作らせて工業生産することができるかもしれません。

 このように、生きた3次元組織や臓器が人工的に作れると、医療の常識が変わります。医薬品産業も医療関連産業界もきっと大きく変わってくるでしょう。

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  [ 写真:研究室に並ぶ3D Bioprinters(2号機)]

本研究室では、このように、世の中にまだない装置を自ら開発して、立体的で複雑な生きた細胞による生きた組織や臓器の作製を目指しています。

 科学の力で組織や臓器を作って、いつか、難病の患者さんの病気を治療したり、移植臓器の代わりに使えるようになることを目指しています。今、多くの患者さんが移植臓器を待ちながら力尽きて亡くなっています。そんな患者さんたちに臓器を作って届けることができれば生命を助けられます。

「臓器を待つ時代から臓器を作って届ける時代」に進歩させねばなりません。それには、それを実現する科学の研究開発に取り組むしか道はありません。

 

 富山大学で、生命科学と生命工学を学び、専門知識と研究マインドを培い、優秀なバイオメディカルエンジニア・優秀な再生医療工学者となって、生命・医学の新時代の開拓者をぜひ目指して下さい。

 

臓器を機械の手で組み立てる:バイオアセンブリ

臓器のパーツを作り、パーツを組み合わせて臓器を作る挑戦

 ”バイオアセンブリ”とは、小さな臓器のパーツを作り、それを組み合わせて臓器を作る新しい臓器作りのアプローチです。組織からもっと大きな臓器を作るための工学による挑戦です。

 我々の臓器は、細胞やタンパク質で構成されています。しかし、それらは単にバラバラにランダムに存在するのではなく、毛細血管や筋線維など組織特有の微細な組織の構造を形成して存在しています。そして、これらの小さな組織がまた1つのパーツとなって、多種類のパーツが組み合わさって次々大きな組織を作り、最終的に統合された大きな臓器が形成されています。このような構造を組織・臓器の階層性といいます。私たちの体の重要な臓器はほとんどこのような階層性を持っています。

 そこで、このような高度な臓器を作る場合、細胞の凝集塊や細胞ファイバー、細胞シートなど必要となる組織パーツを予め作製し、それらを集めて組み合わせて集積化して複雑な3次元組織や臓器を作製するというアプローチが有望と考えられます。

 私たちは、組織パーツを作る工学技術、そしてそれらを組み立てるアセンブリ技術に着目しました。組織パーツとしては、細胞の凝集塊や細胞シート、細胞ファイバー、さらには小さな組織自体もパーツとして利用ができるでしょう。

◎ミクロのパターニング培養技術と細胞の転写積層技術

              

精密工学技術を用いて数十μmのパターニングを施した細胞培養用の基板を作り、そのうえで細胞を培養します。細胞のくっつく場所とくっつかない場所をうまく調整すると、細胞のパターン培養が可能です。そこで、次に、培養した細胞パターンをゲルの上に転写しました。さらにその上に重ねて転写しました(上の写真とムービー)。

培養した細胞組織を転写積層することに成功しました。共焦点顕微鏡で見ると3次元積層したのがわかりますよね?(右ムービー)。

これはバイオパターニング技術を発展させたバイオプリンティング(細胞転写技術~細胞組織転写技術)、さらに培養した細胞組織を3次元積層する技術に発展させました。バイオアセンブリ技術の一例です。

また、下に示す写真は、精密加工技術でミクロのモールド(鋳型)を作り細胞を培養して作った細胞ファイバーです。

  

図:バイオパーツとして作製した細胞ファイバー(右)

 髪の毛の5分の1の太さの直径200μmの細胞ファイバーを作ることに成功しました。これだけ細ければ、周りから酸素や栄養が真ん中の細胞にまで届きます。

 この細胞ファイバーは、束ねたり編み込んだりすることができます。すると、そのようなことができる機械があれば、もっと大きな組織がもっと速く作れると思いませんか?細胞ファイバーはバイオアセンブリのためのとても有力なパーツとなります。

しかし、そんな装置はどこにもありません。ならば、自分たちで開発するしかありません。これがバイオアセンブリ技術の研究開発が必要な所以です。

ただし、こうして作った細胞ファイバーは、とても細く繊細です。しかも空気中で操作すると乾燥して細胞は死んでしまうので、培養液の中で作らなければなりません。このような細くて繊細で、しかも柔らかくそのうえウェットな、しかもこのような傷つきやすい材料をいかに扱うか?についても、これまでの精密機械工学においても取り扱った経験はほとんどなく、大いなるチャレンジが必要です。

いろいろな困難がありますが、それらを克服して、いつか複雑な臓器を機械の手で組み立ててやるぞ!というのが、我々の目指すバイオアセンブリの研究開発です。

 バイオアセンブリ技術は、再生医療の未来を開拓します!

再生医療を革新するツールの開発

細胞サイズの微粒子作製

  • 再生医療に欠かせない有力なツール:微粒子作製技術の研究開発
  • 「インクジェットドライ法」の開発と応用

 私たちはインクジェット技術を応用して、「インクジェットドライ法」という均一な微粒子を作製する方法を開発しました。

「インクジェットドライ法」とは、インクジェット技術の「均一な液滴を吐出可能」「微量インクを吐出可能」及び「非接触印刷が可能」という特徴を利用し、吐出した液滴を空気中に打ち出して乾燥させて乾燥微粒子を作製する方法です。従来、微粒子は、スプレードライという方法でよく作られていますが、粒子のサイズはバラバラで、結局ふるいで選別して使うしかありません。インクジェットドライ法ではいきなり均一サイズの乾燥微粒子が得られます。液滴が小さいので、熱をかけることなく濃縮乾燥させることもできます。

Ref: Iwanaga S, Nakamura M, et al. Colloids Surf B Biointerfaces. 2013 ;109:301-6.

 この方法は「熱に弱い試薬の高濃度粒子化」「簡便な粒子サイズの制御」など様々な利点があり、また作製した粒子径も均一性があるので、放出や分解速度をそろえることが可能になります。この技術を用いて様々な生体適合材料や生理活性材料などで微粒子を作製することに成功しています。

このような細胞サイズのマイクロ微粒子を作れるようになると、様々な材料や物質を組み込ませれば、細胞サイズの計測ツールとして、また、細胞サイズで細胞の挙動を制御するツールとして、これからの再生医療で目指している成熟した組織の作製、組織形成の誘導、組織再生の正誤には欠かせないツールになります。

独自に開発した装置なので、自前で作ることができるようになってきています。

 

 

 

メンバー紹介

Lab members

Lab members 

Lab members

プロフィール

 

・2019年度から生体システム医工学講座から再生医療工学講座に名称が変わりました。新メンバーです。

・2017年度から、教授:中村真人(生体システム医工学講座)、准教授:黒岡武俊(プロセスシステム工学講座)、助教:岩永進太郎(医用材料プロセス工学講座)の3講座合同で活動しています。

中村 真人

中村 真人教授

Professor

略歴

生まれ: 石川県金沢市
出身高校:石川県立金沢泉丘高校
昭和61(1986)年 神戸大学医学部医学科 卒業
同 年     金沢大学医学部小児科学教室入局
  1986年~1996年 関連病院にて小児科臨床医として活動
平成8 (1996)年 国立循環器病センター 研究所 人工臓器部
平成11 (1999)年 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 助教授
平成17 (2005)年4月 ~ 平成20(2008)年3月
     (財)神奈川科学技術アカデミー(兼任)
     「中村バイオプリンティング」プロジェクト・リーダー
平成20 (2008)年 富山大学 大学院理工学研究部(工学) 教授
        (現職)

学位・資格等

1986年5月 医師免許取得
1996年3月 博士(医学)取得

専門分野

◎教育分野
 基礎生理学(学部2年生)
 生体医工学Ⅰ(学部3年生)
 生体医工学Ⅱ(学部3年生)
 医療生命工学特論(修士課程)
 生体組織医工学特論(博士課程)

◎研究分野: 再生医工学、生体医工学、人工臓器

研究トピックス:バイオファブリケーション
        臓器再生

主な業績

1.学術論文(原著論文、総説、解説、図書(主なもの:◎お薦め)
2020年

1) 岩永 進太郎,近藤 兼司,西尾 竜馬,阿曽 裕也,黒岡 武俊,中村 真人 第5章:生体系材料 第1節:バイオ3Dプリンタ向け生体適合材料の開発、「3Dプリンタ用新規材料開発」(萩原恒夫編集)🙁)エヌ・ティー・エス, 20211, ISBN 978-4-86043-710-7 C3053

2019年

1) 中村真人、「3Dバイオプリンティングの再生医療への応用」、Pharm Stage 4月号2019 (株)技術情報協会

◎2) 杉原新,西尾竜馬,福島正義,岩永進太郎,黒岡武俊,戸田英樹, 境慎司,中村真人、日本画像学会誌 58 巻 4 号 424-433(2019)(J-Stageより無料で読めます

3) Gantumur E, Kimura M, Taya M, Horie M, Nakamura M, Sakai S, Inkjet micropatterning through horseradish peroxidase-mediated hydrogelation for controlled cell immobilization  and microtissue fabrication. Biofabrication 2019, 102150.R1

2018年
◎1)中村真人 人工臓器―最近の進歩;バイオプリンティング(Bioprinting)とバイオファブリケーション(Biofabrication):最近の進歩 人工臓器47(3) 203-6、2018

2)Mir TA, Nakamura M, Iwanaga S , Kurooka T, Biofabrication Offers Future Hope for Tackling Various Obstacles and Challenges in Tissue Engineering and Regenerative Medicine: A Prospective, International Journal of Bioprinting (IJB ) vol.5(1), 2019, Article identifier:153 

3)中村真人 「機械で臓器を作れるか?・・・不治の病を治すために」富山教育、第934号 特集Ⅱ、P.74-89, 2018 富山県教育会発行
4)岩永進太郎、浜田裕太、杉本和之、黒岡武俊、中村真人、「最先端医療機器の病院への普及展望と今後の製品開発」第3章3Dプリント関連技術の医療機器への応用開発 第3節、バイオプリンティングによる臓器の作製技術と今後の展望、P150-157 (2018.5.31 発刊)(株)技術情報協会

2017年(7)
1)Mir TA, Nakamura M, 3D-BioPrinting: Towards the Era of Manufacturing Human Organs as Spare Parts for Healthcare and Medicine. Tissue Eng Part B Rev. 2017 Jun 23(3):245-256 [Epub ahead of print] doi: 10.1089/ten.TEB.2016.0398. Epub 2017 Mar 21.
3)中村真人、小倉亮介、吉池成弥、寺口博也、医工学による生きた臓器の作製への挑戦: 挑戦的な臓器作製法Additive Organ Manufacturing、Organ biology 24(2), 97-102, 2017.
4)中村真人、循環器領域におけるバイオプリンティングの現状、方法、今後の展開について、特集「Heart’s Selection」『循環器 領域における3Dプリンターの応用』、心臓、49(11) 1127-1134、2017、2017年11月号
5)Moroni L, Boland T, Burdick JA, De Maria C, Derby B, Forgacs G, Groll J, Li Q, Malda J, Mironov VA, Mota C, Nakamura M, Shu W, Takeuchi S, Woodfield TBF, Xu T, Yoo JJ, Vozzi G.Biofabrication: A Guide to Technology and Terminology. Trends Biotechnol. 2017 Nov 11. pii: S0167-7799(17)30279-2. doi: 10.1016/j.tibtech.2017.10.015. [Epub ahead of print] Review.
2016年(8)
◎1)Groll J, Boland T, Blunk T, Burdick JA, Cho DW, Dalton PD, Derby B, Forgacs G, Li Q, Mironov VA, Moroni L, Nakamura M, Shu W, Takeuchi S, Vozzi G, Woodfield TB, Xu T, Yoo JJ, Malda J, Biofabrication: reappraising the definition of an evolving field. Biofabrication. 2016 8(1):013001. doi: 10.1088/1758-5090/8/1/013001.
2)Arai K, Tsukamoto Y, Yoshida H, Sanae H, Mir TA, Sakai S, Yoshida T, Okabe M, Nikaido T, Taya M, Nakamura M. The development of cell-adhesive hydrogel for 3D printing. International. Journal of Bioprinting, 2(2): 44–53. 2016. http://dx.doi.org/10.18063/IJB.2016.02.002
3)中村真人、バイオプリンティングの動向、3Dプリンタの医療応用最前線II, Inner Vision 31(7). 18-19, 2016
4)Nakamura M, Arai K, Mimura T, Tagawa J, Yoshida H, Kato K, Nakaji-Hirabayashi T, Kobayashi Y, and Watanabe T, Engineering of Artificial Lymph Node, in Synthetic Immunology, Watanabe T, Takahama Y, eds. Springer, 2016, Chapter 9, pp.181-200
5)中村真人、バイオプリンティング技術による3次元アセンブリ、組織工学ライブラリ-マイクロロボティクスとバイオの融合-2)、3次元細胞システム設計論、新井健生編、コロナ社、2016/08/26 発刊,ISBN:978-4-339-07262-4、pp. 156-170.
6)Arai K, Yoshida T, Okabe M, Goto M, Mir TA, Soko C, Tsukamoto Y, Akaike T, Nikaido T, Zhou K, Nakamura M. Fabrication of 3D-culture platform with sandwich architecture for preserving liver-specific functions of hepatocytes using 3D bioprinter. J Biomed Mater Res A. 2016 Sep 19. doi: 10.1002/jbm.a.35905. [Epub ahead of print]
◎7)バイオ・医療への3Dプリンティング技術の開発最前線 The Frontiers and Development of Bio-Medical 3D printing、監修:中村真人、2016年12月16日、編集発行:㈱シーエムシー・リサーチ、ISBN 978-4-904482-32-2

その他

◎中村真人、【展望】工学技術で臓器不全の治療の道を!:臓器を作る機械の開発と先端精密工学技術による医療支援への提言、精密工学誌80(3), 229-235, 2014.

◎中村真人、『再生医療・組織工学:次世代技術』:再生医療叢書2、組織工学、岡野光夫、大和雅之編、朝倉書店、148-177. 2013年2月発刊

 

 

研究業績

学術論文(査読付)・著書・解説・総説

論文・発表

著書・編著

その他の業績

テレビ・新聞・雑誌・メディアへの掲載

2020

  • 読売新聞(中村のコメントが掲載):バイオ3Dプリンターで作製した細胞チューブによる神経再生、京都大学臨床治験開始: 2020年11月27日(夕刊)
  • 北日本新聞・富山新聞 デジタルファブリケーション体験親子教室開催 2020年12月28日

2019

  • 読売新聞(中村のコメントが掲載):バイオ3Dプリンターで血管作製、夏にも臨床へ 2019年4月23日夕刊
  • 北陸中日新聞 この人 2019年5月3日

2018

  • 神戸新聞 3Dプリンターで体組織;大阪大学 基礎工学部 境慎司教授との共同研究2018年2月26日           
  • 読売新聞(Web版)https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180321-OYTET50000/ 「3Dプリンターで心筋組織…慶大などのグループ」の記事内にコメント、2018年3月21日
  • 中村真人 「機械で臓器を作れるか?・・・不治の病を治すために」富山教育、第934号 特集Ⅱ、74-89, 2018 富山県教育会発行
  • 日経メディカル 細胞の3次元構築技術 中村真人 2018 09 No.610 P.45
  • テレビ朝日:羽鳥慎一モーニングショー 平成30年10月4日 「バイオ3Dプリンター」大阪大学との共同研究成果
  • 日本経済新聞社:Channel Japan(放送+配信) 平成30年12月2日 「バイオ3Dプリンター」:テレビ東京「ミライダネ」の英語翻訳版の国際放映とネット放送

2017

  • 朝日新聞 (科学の扉)プリンターで人体組織 生きた細胞、積み重ね立体に:2017年5月28日(日)
  • 朝日新聞デジタル(科学の扉)プリンターで人体組織 生きた細胞、積み重ね立体に:朝日新聞デジタル 2017年5月28日(日)
  • テレビ東京「ミライダネ」:「3Dプリンターで変わる生活」 2017年9月23日(土)
  • 北日本新聞「人工臓器作製に新材料」 2017年12月13日
  • 日刊工業新聞「複数細胞の立体組織造形、阪大・富山大がバイオ3Dプリンターで成功」2017年12月14日

2016

  • 福井県広報誌「あっとほうむ」:科学の缶詰自然に学ぶテクノロジー『固まる』:2016年1月15日
  • 医用画像3Dモデリング・3Dプリンター活用実践ガイド 杉本 真樹 (著) 技術評論社 (2016/3/26) ISBN-10: 4774180092、ISBN-13: 978-4774180090に名前入りで引用 PP306-7
  • STI Horizon 2(1), 2016. 24-31, レポート;蒲生秀則、デジタルファブリケーション・医療応用のHorizon~3Dデジタルデータの活用とバイオファブリケーションの進展~;  2016/03/28

その他;

  • ジキルとハイド(テレビ朝日2008)、サイエンスゼロ(NHK2008)、

     

  • 朝日新聞GROBE(2010.3.22)

  • ガリレオX(BSフジ2013)、試してガッテン(NHK2013)、現代化学:特集:この人に聞く(2013年11月号)、JSTサイエンス ニュース(2013年10月3日配信)

  • おはよう富山(NHK富山2014.12.4)
  • NHK World News(2015.1.27)

 

@奨学寄附金のお願い(2022年9月)

奨学寄附金のお願い - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -@奨学寄附金のお願い(富山大学中村真人) 

当研究室の教育・研究活動に、いつも多大なご関心をお持ちくださり、また、ご声援、ご支援下さりありがとうございます。

今回、研究室の研究活動の推進に、お力添えをいただきたく、以下、奨学寄附金のお願いを申し上げたく存じます。なにとぞ、よろしくお願いします。

 

奨学寄付金をお願いする背景と研究の概要

◎研究の背景

中村真人は、臨床医時代に、難病の心臓病・肺高血圧症等の症例を担当し、臨床とともに治療法を研究する意義と必要性を学びました。肺高血圧症の治療の研究で学位を取得し、次の研究テーマとして、臓器移植の問題を克服する人工心臓の研究に進みました。誰かの臓器を待たねばならない臓器移植の問題を解決するには臓器を科学技術で作るしかない、と考えたからです。

この思いから、人工心臓の研究、医工連携を学び、人工心臓の次は、生きた細胞から生きた心臓を作るTissue Engineeringの研究だと考え、研究に取り組みました。生きた細胞を打ち出せる3Dプリンターを開発し細胞を適材適所配置しながら臓器を作る方法を考え、バイオプリンティングという研究を始めました。「プリンターで臓器を作る博士がいる!」とテレビに出たり、「異端科学者」として雑誌に載ったりして有名になりましたが、近年の3Dプリンターの世界的ブームのおかげで、今や世界のTissue Engineeringや再生医療の研究領域ではこの手法が主流になっています。

◎現在取り組んでいる研究

現在、富山大学中村研究室では、「再生医療工学講座」と銘打って、Tissue Engineeringの研究を医療現場へ届けることを強く意識して、研究を進めています。

1)バイオアセンブリ・臓器構築技術の研究:臓器の部品を作り組み立てて臓器を作るバイオアセンブリという研究に取り組んでいます。バイオプリンティングを進化させた研究です。プレハブ工法を想像していただければわかりやすいかと思いますが、培養できる小さな組織・臓器の部品を作って培養してある程度成熟化させておいて、それらを一気に組み立てて成熟した臓器を作ろうという研究です。超高速で臓器を作ることを目指しています。現在、複数の細胞リングを作りそれを自動で積み上げる装置を開発しました。また、細胞を束ねてストレッチ培養する装置も作りました。2022年9月末、国際学会で2人の学生が発表します。

  • Takehana Y, Iwanaga S, Kurooka T, Nakamura M, Development of an integrated multi-process manufacturing for cardiac tissue with multiple components, Biofabrication 2022, International Conference on Biofabrication 2022, September 25th -28th 2022, Montecatini, Italy
  • Kadowaki T, Iwanaga S, Kurooka T, Nakamura M, Biofabrication of 3D bundle-like muscle tissues through stretch culture using a tensile strain bioreactor, Biofabrication 2022, International Conference on Biofabrication 2022, September 25th -28th 2022, Montecatini, Italy

2)腎臓の灌流培養と腎臓再生への挑戦的研究:臓器つくりの研究で臓器が作れたとしても、臓器をそのまま培養維持する技術がありません。そこで、臓器を体外で灌流培養する研究を始めました。臓器待ちの患者が最も多く、灌流培養しやすい腎臓を対象として、腎臓の灌流培養装置を開発し、腎臓を体外で灌流培養しつつ腎臓を再生させる研究を開始しました。この方法が実現したら、『患者さんの腎臓を体外で再生して自分へ再移植するという治療法』が可能になります。すると、腎臓が必要な患者の数だけ移植できる腎臓が手に入ります。つまり臓器不足、他人の犠牲、免疫拒絶の問題を含めて、臓器移植の究極的な解決策が実現します。コロナの影響で、ECMO(体外膜型人工肺循環による血液の酸素化治療)が普及し体外循環の技術が進化しています。また、幹細胞やm-RNAをはじめとする生物学的治療技術も進んでおり、この戦略は技術的には現実的な段階にきていると確信します。ただ、この手法に気づきその意義を理解できる研究者が稀少で、まだ、ほとんど手掛けられていません。

 

◎奨学寄附金をいただいて加速したい研究

1) ES細胞由来の心筋細胞での拍動する心臓の構築:バイオアセンブリの研究では、細胞リングを組み立てる装置ができました。次はいよいよ、心筋細胞で作ったリングを積層して拍動する心臓形状を作ろうと考えています。そのためには、大量の心筋細胞や血管内皮細胞が必要ですが、iPS細胞はお金がかかりすぎるため、マウスES細胞を分化させて準備しようと考えています。しかし、それでもまとまった研究資金が必要です。実験ができれば、きっと実現できると見込んでいます。

2) 体外腎臓灌流・腎臓再生の研究:上記のように、この研究が進めば、臓器移植問題をすべて克服できる究極ともいえる研究です。現在、体外での腎臓灌流用の灌流装置を開発し、灌流実験ができる段階に来ました。また、体外で灌流している腎臓の機能評価、さらに超音波エコーで糸球体観測も可能になりました。つまり、体外で再生治療を行って腎臓の再生を評価する手段が見つかりました。これから、細胞移植、増殖因子移植、薬物投与など、腎臓再生に可能性のある治療をどんどん試して、再生を評価できる段階に来ました。

体外で再生治療する研究には大きなメリットがあります。生物活性の高い因子をMAX量で作用させても、本人や他臓器への影響を心配することなく試せます。組織形成を大幅に促進できるかもしれません。また、この実験系で再生に対する有効性がわかっただけでも、慢性腎不全や透析の患者さんの腎臓再生治療の手掛かりが得られます。慢性腎臓病は悪くなる一方で、再生する治療法はまだありません。腎臓再生がかなえば、透析から離脱する道ができ、腎臓移植の数も減らせます。体外でいろいろな腎臓病モデルを作り、再生治療の研究を行う研究がガンガンでき、腎臓病治療法の発展への貢献、波及性は絶大と考えます。

体外で臓器を灌流しての臓器治療自体、まだほとんど行われていない治療戦略です。ECMO技術が進化したこの時代、心臓や肺、肝臓などの他の臓器でもこの方法で臓器移植が克服できる道ができるかもしれません。再生医療の領域でもこのような再生医療はまだほとんど聞いたことがないので、新しい再生医療の研究が]発展する時代に進化します。

ただし、このように実験と研究の道筋が見えたとはいえ、具体的な再生方法はこれから試して実証せねばなりません。そのためには、実験を数多く行うための研究資金と研究を推進する研究員の人材が必要です。

 

上記のように、どちらの研究テーマも、実験数を増やしてデータを取る加速のフェーズに入りました。ところが、国の推進する研究テーマは再生医療からSDGSAI、データサイエンスなどに移行し、再生医療の研究者たちの多くが窮しています。私もこのテーマと構想で研究費を何年も申請してきましたが、具体的な手段がまだ実証されていないとか実用化や収益化が近くないとの理由で、研究費が全くつきません。大学のわずかな研究費でコツコツ進めて、何とかようやくここまで来たのですが、なんと、そうしているうちに、私もあと1年半で定年の歳になってしまいました。

このような背景があり、慌てて、奨学寄附金のお願いをするに至った次第です。残りの1年半で、1)2)の研究を進め、何らかの成果を出し、みなさまにご報告させていただきたいと存じます。また、この意義ある研究の未来と後を継げる人材育成にも励みたいと考えています。

もちろん、どちらの研究においても、医師として医工学研究者として、自分のライフワークと覚悟しています。そして、臨床応用までの道筋も計画は立てておりますので、どんな形であれ、もし十分な研究資金が入れば、動物の臓器から一気にヒトの細胞・ヒトの臓器での研究に進み、臓器構築・臓器再生を確立して、臓器を必要としている人たちに届けたい、と思っています。

 このような取り組みと中村の活動に、ご共感 ・ご賛同くださる方は、ぜひ、 奨学寄付金で研究活動にお力添えをお願いしたく存じます。

 

□目標金額:250万円(2022年度)・250万円(2023年度)  

1万円以上のご支援・・・・お礼のメール・寄附領収書

10万円以上のご支援・・・お礼のメール・寄附領収書、活動報告(年2回程度)をお送りします。

50万円以上のご支援・・・お礼のメール・寄附領収書、活動報告(年2回程度)・ご支援者様として、HPにお名前掲載(ご希望者のみ)・ご希望があれば研究室見学会にご招待します。

100万円以上のご支援・・・お礼のメール・寄附領収書、および活動報告(年2回程度)・ご支援者様として、HPにお名前掲載(ご希望者のみ)・ご希望があれば研究室見学会や講演会等にご招待します。

***「1億円、すぐに集まれば、会社を興して、10年後に腎臓再生事業を実現します!」

 

奨学寄附金のお願いと手続きの方法

*奨学寄付金の申込書を添付します。

     #寄附金申込書(中村研用)   (Word

     #寄附金申込書(中村研用)     (PDF

寄付金をご支援くださる方は、申込書にご記入いただき、まずは、中村まで、ご一報ください。(maknaka@eng.u-toyama.ac.jp

 

*「奨学寄附金」は、研究者の全く自由なテーマの研究資金、あるいは教育活動の資金になります。すべて大学(国立大学法人)の規則に則り使用されますので、研究教育活動以外のことには使われません。

*また、国立大学法人に対する寄附となりますので,法人税法及び所得税法による税制上の優遇措置があります。個人の名義でも法人や企業の名義でも節税対策になりますので、ぜひよろしくお願いします。

 奨学寄附金の詳しい内容は、富山大学ホームページの「寄附金寄附金」の説明ページをご参照ください。https://sanren.ctg.u-toyama.ac.jp/donation/

*ご注意点: なお、申込用紙の寄附目的の欄には、「学術研究部工学系 中村真人教授に対する教育研究助成」との文言を必ずご記入お願いします。そうでないと、大学の運営資金に回され、研究には回ってこない場合があります。

 

 以上の趣旨をご理解の上、何卒、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

敬具

令和49月吉日

中村 真人 拝

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富山大学 学術研究部工学系 教授 中村 真人(なかむら まこと)
工学部 工学科 生命工学コース 再生医療工学講座

930-8555 富山市五福3190
TEL / FAX : 076-445-6884
 
E-mail : maknaka@eng.u-toyama.ac.jp
URL:
 http://enghp.eng.u-toyama.ac.jp/labs/lb05/

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2021年、教授からメッセージ

2021年、教授からのメッセージ

 

 COVID19のパンデミック。皆さんも、勉強や生活に大きな影響を受けられたのではないかと思います。

 大学の活動も大きな制限を受け、変革を迫られました。けれど、その中、研究室全員の頑張りのおかげで、研究は着実に前進しています。研究室のみんな、ありがとう!

 

 思えば、私が、「移植の臓器は待つのではなく科学の力で作るべきだ」と考え、人工心臓の研究を始めてはや25年、そして「細胞から臓器を作ろう!」と再生医療の研究に着手して、もう20年が経とうとしています。

 再生医療のいろいろな課題を克服するため、細胞を適材適所、2次元・3次元で並べようと機械の手・印刷技術の応用研究を始めましたが、この研究は、20年経った今、「3Dバイオプリンティング・バイオファブリケーション」と名付けられ、世界の再生医療研究の主流になっています。

 2020年度、研究室の名称を「再生医療工学講座」と改称し、「再生医療を臨床に届ける工学」を目指して新たなスタートを切りました。「再生医療工学」の視点から見ると、臓器を待っている患者さんに作った臓器を届けるためには、バイオファブリケーションのほかにも、いくつもの臓器再生の工程を進める技術が必要です。

 ゆえに研究は次の段階に進まねばなりません。そして、その未知・未踏領域を切り拓いて進むための鍵となる技術は、「生命工学」にあります。

 若者よ!「生命工学」を学べ! そして「生命工学」を身につけ、活用して、「医療」を革新しよう!

 「生命工学」を身に着け自由自在に使いこなせるみなさん「生命工学者」こそが、これからの医療・再生医療を変革する主役です!

  2021年4月吉日  中村真人 

2020年 教授よりメッセージ

富山大学 再生医療工学講座のHPへようこそ。

      教授の中村真人です。本ページへご訪問ありがとうございます。

2020年、本研究室は、「生体システム医工学講座」から新しく「再生医療工学講座」と名称を変えて、心機一転、次世代の再生医療の実現を   目指して再スタートしました。

「再生医療工学」とは、私が勝手に作った造語です。「再生医療を臨床に届けるための工学」という意味です。

2つの重要な意味を込めて、命名しました。

・1つ目:「再生医療工学」:再生医療には工学が必須・・・・今はもう、治療用の組織や臓器は工学的に作らねばならない時代に来ています。すなわち、これからは工学技術が鍵となります。再生医療を体得したエンジニアが大活躍する時代になります。

・2つ目:「再生医療工学」:再生医工学ではなくあえて再生医療工学、つまり「医療」として臨床現場で必要としている人たちに届けることを第一に目指した工学であることを強く意識してほしいとの思いを込めました。

 

当研究室では、以下の使命・理念を持って、研究に取り組みます。

 1)組織や臓器を再生する技術の研究開発

 2)組織や臓器を待っている人に届ける技術の研究開発

 3)「研究」から「実用~事業化」を目指す

 

再生医療の発展は、現在の医学の様々な限界を克服して、世界中の人々の健康と命を守ることにつながります。

若き未来の可能性のあふれる皆さん、再生医療を体得したエンジニアとなって、ぜひ一緒に、再生医療の新時代を築きましょう。

2020年1月 富山大学 工学部生命工学コース 教授 中村真人(記)  

                                                       

科学大好きな小学生・中学生・高校生のみなさんへ

**科学大好きな小学生・中学生・高校生のみなさんへ**

1)2009年から2019年、日本科学未来館(東京お台場)で展示されていた動画をアップします。印刷技術の利点を学んでください。

2)2009年に、学習塾の機関紙「関塾Times 」(2009.5)に、

富山大学のバイオプリンティングの研究が紹介されました。

小中学生向けにわかりやすく書いてあります!

ぜひ見てみてください!!

 

(関塾Times様の許可を得て掲載しています。)

 

*みなさんはあと5年から10年すると、

 きっと大学や大学院へ進んで科学の研究をすることになるでしょう。

*大学・大学院ではどんな研究をしたいですか?

 ぜひ、最先端の生命工学・再生医工学の研究に取り組んで、

 日本と世界の医療の未来を切り開いてください!

 

 

 

 

 

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