健康管理や医薬品検査に役立つ酵素や細胞を用いたバイオセンシング技術の開発、医療につながる細胞機能制御技術の開発、バイオ製造プロセスの管理に役立つバイオ計測・制御技術の開発等の研究を通して健康社会の維持、増進に役立ちます。
本分野では、「人々の健康を守る」を目標に、電気化学や電気電子工学の計測・制御技術と酵素、動物細胞、微生物細胞などを利用するバイオテクノロジーを組み合わせて、以下のような4つのテーマで研究を行っています。
微生物による食品,バイオ医薬品,バイオ燃料などを効率的に生産するため,培養中の生存活性状態を精度良く迅速にモニターすることは重要です。現在,コロニー計数法や細胞染色法などが用いられていますが,長い培養時間や試薬毒性などの問題があります。そこで本研究では,無試薬で電気的な手法でリアルタイムに生死判定可能な測定システムを開発しています。
細胞機能の電気的制御を目標として、ITO電極上で神経細胞やグリア細胞を培養し、アルミ平板電極との間でナノ秒高電界直流パルスを印加した際の細胞内Ca2+濃度変化をFRET観察し検討しています。これまでに、種々の時間幅のナノ秒パルスで細胞内Ca2+上昇を誘起できる電界強度を明らかにするとともに、Ca2+上昇機構の検討を行ってきました。また、パルス条件によって細胞内Ca2+の繰り返し上昇の誘起が可能であり、神経伝達物質の電気放出制御が可能と期待し検討を続けています。さらに、印加するナノ秒パルスの電界強度によっては、Ca2+流入を引き起こすだけでなく、その繰り返し印加により、細胞のアポトーシスを誘導できる可能性も見出されてきています。
須加 実講師
Minoru SUGA, Lecturer
略歴
富山大学工学部卒業、富山大学大学院修士課程修了、富山大学工学部助手、富山大学大学院理工学研究部助教、富山大学理工学研究部工学系講師、現在に至る
学位・資格等
博士(工学)
専門分野
マイクロ・ナノデバイス、生物機能・バイオプロセス