本研究室は主に人工知能(AI)、特に深層学習、ソフトコンピューティング技術などの研究に取り組んでおり、多くの先駆的な研究成果が世界的に注目されている。脳の優れた情報処理能力は、脳内の神経細胞(ニューロン)の樹状突起(シナプス結合)によるさまざまな相互作用によって実現されている。脳の動作原理を理解し、認知科学の原則に基づいてAIモデルを設計することで、より効率的で知的なAIシステムの開発が可能となる。AIの主流技術の一つである深層学習は、実世界の複雑な問題を解決するために、非常に複雑なネットワーク構造(例えばChatGPT-4のパラメータ数は5000億以上)と大量な学習データが必要とされる。「ビッグモデル+ビッグデータ→ビッグプロブレム」という学習パラダイムに依存することが多い。そのため、深層学習のエネルギー効率の最適化は、急速な発展を妨げるボトルネックの一つとなっている。本研究室は自然界の高度な知的生物の学習メカニズムから着想を得て、低消費電力、小規模モデル、少ないデータに基づきモデル化可能な「樹状突起学習」(Dendritic Learning)を提案した。さらに、提案したモデルの計算能力、連想記憶、学習効率、分類能力、予測精度などの性能指標を評価し、画像認識、医用イメージング(超音波など)、建築安全性の自動解析、がん分類、株式市場の時系列予測など、多くの現実問題への応用を進めている。
高 尚策人工知能研究室教授・講座の長
Shangce GAO, Professor
略歴
富山大学大学院博士課程修了、富山大学大学院理工学研究部(工学)准教授、富山大学学術研究部工学系教授、現在に至る
学位・資格等
博士(工学)
専門分野
人工知能,深層学習,計算知能,ソフトコンピューティング,ニューラルネットワーク,機械学習,医工連携,時系列分析,アルゴリズム,最適化
主な業績
プロフィール
Email:gaosc AT eng.u-toyama.ac.jp
大村 眞朗准教授
Masaaki OMURA, Associate Professor
略歴
千葉大学工学部卒業,日本学術振興会特別研究員(DC1),同大学院融合理工学府(先進科学プログラム)博士課程修了,日本学術振興会特別研究員(PD)(受入機関:富山大学)兼千葉大学フロンティア医工学センター特任研究員,富山大学学術研究部工学系助教,准教授,現在に至る
学位・資格等
博士(工学)
専門分野
医用超音波計測,信号処理,画像処理
雷 振宇助教
Zhenyu LEI, Assistant Professor
略歴
富山大学大学院博士課程修了、富山大学学術研究部工学系助教、現在に至る
学位・資格等
博士(工学)
専門分野
計算知能、深層学習