富山大学工学部 電気電子工学コース システム制御工学研究室 Bio-information Engineering Laboratory

システム制御工学研究室

我々が新しい道を築く

研究紹介

バイタルサインの無拘束計測技術開発

知らない間に健康情報を自動収集

毎日の健康状態を自動収集して疾病を早期発見するために、家具や調度品などにセンサを設置して、本人が気づかないうちにバイタルサイン(生命兆候)を測定するための技術を開発しています。例えば、イスへの着座やベッドに寝転ぶだけで、心拍や呼吸を測定できます。また、いつものように入浴するだけで、浴槽に取り付けたセンサで心電図を測定しています。近年では、トイレで排泄するだけで排泄物に非接触で排泄情報を自動測定する技術も開発しました。さらに誰のデータかを判断するために、個人識別法の開発も行っています。

要介護高齢者のための福祉用具開発

真のニーズを見極めたシーズ開発

高齢社会の進展に伴い、要介護高齢者数も急増しています。介護現場での丁寧な聞き取りを行い真のニーズを聞き出し、これに対応するシーズとなる技術を開発しています。例えば、食事介護での飲み込みを検出するエプロン型のウェアラブルセンサを始め、近年では入浴介護アシストロボットを、介護士、作業療法士、保健師、工業デザイナーたちと企画・開発しています。

睡眠・覚醒を制御する脳内メカニズムの解明

げっ歯類の睡眠脳波・行動、電気生理

【脳による睡眠・覚醒の制御はとても重要】

我々の脳は様々な生理行動を制御していますが、その一つに、「睡眠・覚醒」状態の制御があります。

我々は普段、朝目覚めると学校や仕事に行ったり、遊びに行ったりと様々な活動を行い、夜になると一日の疲れを癒すために眠りにつきます。

一方で、睡眠・覚醒の制御に問題が生じると、日中の授業(仕事)中に眠ってしまったり、夜眠れなくなってしまいます。すると、成績(評価)が下がったり、事故を起こしてしまったり、また、疲れがとれず、生活の質が下がってきます。※日常的にこうした問題が起こる状態を睡眠障害といいます。

睡眠・覚醒制御の障害は多様化した現代社会において、適応反応や注意、認知反応の低下による社会的不利益や他人を巻き込む重篤な交通事故・労働災害の誘発原因となりえると予想されており、日本におけるその経済損失は1380億ドル(約15兆円)と試算されています(米国RAND Corporation, 2016)。

このように、脳機能の中でも睡眠・覚醒の適切な制御は、個人の生活だけでなく社会全体にとっても重要であると言えます。

 

【どんな研究をしているのか?】

睡眠障害の診断や治療法開発によって生活を豊かにするためには、基盤的根拠となる睡眠・覚醒の脳内制御メカニズム(正常な脳はどんな仕組みで睡眠・覚醒を制御しているのか?)の解明が必須です。

我々の体内には様々な生理活性物質(体内の化学物質)が存在しており、睡眠・覚醒の制御においてそれらが重要な役割を担っていることが示唆されていますが、脳機能にどのような影響をもつのかはまだ十分明らかにされていません。

 

脳機能を調べる手法の一つとして、電気生理学的手法があります。

脳を構成する神経細胞ニューロンは一つ一つが常に電気活動を行っており、脳機能にはなくてはならない活動です。それら電気活動を頭の表面から記録した電位波形を脳波といいます。脳波やニューロン毎の電気信号を計測・解析することで、様々な生理活性物質が脳機能に与える影響(睡眠・覚醒の制御にどのような役割をもつか)を調べることができます。

 

そこで我々は、脳が睡眠・覚醒を制御する仕組みをさらに解明するために、げっ歯類をモデル動物とした次のような実験系で研究を行っています。

●睡眠脳波解析

モデル動物の脳波から覚醒・ノンレム睡眠・レム睡眠の状態判別を行い、生理活性物質が睡眠・覚醒リズムに与える影響を個体レベルで調べます。

●行動解析

生理活性物質によってどのような行動変化がおこるのかを知るために、モデル動物の様々な行動を動画像処理で定量的に調べます。

●細胞膜電位・電流解析

ニューロンが発する電気活動(電位・電流)の変化を微小な電極で細胞毎に計測します(パッチクランプ法)。生理活性物質などが脳に与える影響を細胞レベルで調べます。

 

メンバー紹介

中島 一樹

中島 一樹教授

Kazuki NAKAJIMA, Professor

略歴

京都工芸繊維大学工芸学部卒業、京都工芸繊維大学大学院修士課程修了、京都大学大学院博士課程中途退学、山口大学工学部助手・講師、米国ワシントン大学バイオエンジニアリング研究所(文部省在外研究員)、国立長寿医療研究センター室長、富山大学工学部助教授、富山大学大学院理工学研究部教授、現在に至る

学位・資格等

博士(工学)

専門分野

  • 生体医工学
  • 高齢者工学
  • 福祉工学

主な業績

  • 光電脈波法による心拍と呼吸の無拘束計測
  • 浴槽内心電計の開発
  • 排泄物に非接触に排尿量を測定するスマートおむつカバーの開発
  • 排泄物に非接触に排尿測定を行うデジタルヘルス便座の開発
  • 入浴介護アシストロボットの企画・開発

プロフィール

明るく楽しく研究する。努力は裏切らない。

金 主賢

金 主賢講師

Juhyon KIM, Lecturer

略歴

富山大学工学部卒業、富山大学大学院博士課程修了、米国テネシー大学博士研究員、富山大学大学院理工学研究部講師、現在に至る

学位・資格等

博士(工学)

専門分野

  • 神経生理学
  • 神経科学一般

主な業績

  • げっ歯類の行動計測や睡眠脳波計測による脳機能解析
  • 電気生理学的手法を用いた神経活動解析

研究業績

無拘束生体計測

論文・発表

その他の業績

特許リストとその他のリンク

特許リストとその他のリンク

特許名

発明者

登録・出願番号

排泄管理システムおよび便器 中島一樹, 藤田紘也 特願 2015-32691
生体情報検知システム 八木康子、石津京二、中島一樹、関根克尚 特願 2006-348874
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