富山大学工学部 知能情報工学コース 生体情報処理研究室 Laboratory for Biological Information Processing

生体情報処理研究室

人体の謎を探る!情報工学を進化させる!

研究紹介

記憶・学習のメカニズム

脳から人工知能を進化させるためのヒントを探る

ヒトを含む動物の学習の生物学的メカニズムを解明し、次世代の人工知能のヒントを探ります。とくに気分やものごとに対する興味によって学習の能率が変わるしくみを分子〜細胞〜個体レベルで調べています。このしくみが解明されれば、自律的に学習するロボットが実現できる筈です。先端的な技術、例えば電気生理学、電気化学、細胞イメージング、自動信号処理などを用いて研究します。

バイオインフォマティックス

情報工学でみんなに合った医療を

ひとりひとりの遺伝子配列には少しずつ違いがあり、体質が異なります。遺伝子配列を解析してその人に最適な医療を提供するのが次世代のテーラーメイド医療(personalized medicine, PM)です。PMを実現するためには、i. 多くの人から集めた遺伝子配列と疾患の関連性をデータベース化し、ii. 遺伝子(=タンパク質の設計図)の配列の違いがタンパク質の機能をどのように変化させるかを実験的に調べて、iii. 遺伝子配列から体質や疾患リスクを予測する数理モデルを構築する必要があります。情報工学、遺伝子学、電気生理学などを用いてPMの実現を目指します。医学部との共同研究も行います。

メディカルデザイン

医薬理工連携、産学官連携で医療福祉開発

学生、企業の開発者、大学教員、医療従事者でチームを組んで、ユーザー(患者もしくは医療従事者)が手術室やリハビリ施設でどのように振る舞うかを観察してユーザーのニーズを発掘し、アイディアを出し合って解決法を見つけます。米国Stanford Universityで確立されたデザイン思考やバイオデザインを参考にした手法により、前例のない革新的な医療福祉機器・サービスを開発します。

安全な陸上交通社会の実現を目指して

運転中のドライバーのストレスや眠気,集中力を様々な方法で取得し,得られた結果を安全な陸上交通システムの構築に応用していきます。NEXCO中日本(株)と共同研究中です。

  

 大型の超高精細ディスプレイに提示された運転席からの走行映像(提供:NEXCO中日本(株))を観測,その際の脳波を取得・分析,ストレスや眠気,集中力の変化に関するデータを収集。また,視線の動きを追跡する装置を用いて,運転中のドライバーの視線移動に関するデータを収集。

メンバー紹介

田端 俊英

田端 俊英教授

Toshihide TABATA, Professor

略歴

大阪大学人間科学部卒業、大阪大学大学院医学研究科修士課程修了、大阪大学大学院医学研究科博士課程修了、University of California, Davisポスドク研究員、理化学研究所CREST研究員、金沢大学大学院医学研究科助手・研究科内講師、大阪大学大学院医学系研究科助手・助教、大阪大学医学部講師、東京大学大学院医学系研究科客員研究員、富山大学大学院理工学研究部(工学)准教授、富山大学大学院理工学研究部(工学)教授、現在に至る

学位・資格等

社会学士、医科学修士、博士(医学)、第二種電気工事士

専門分野

生理学、神経科学、バイオインフォマティックス

主な業績

  • Journal of Neurophysiology 75(5):1932-1943, 1996
  • Journal of Neuroscience 19(13):5195-5204, 1999
  • PNAS 97(21):11528-11533, 2000
  • Molecular and Cellular Neuroscience 20(1):56-68, 2002
  • PNAS 101(48):16952-16957, 2004
  • Journal of Physiology 581(2):693-708, 2007

  • Journal of Physiology 585(2):549-563, 2007

  • PNAS 107(16):7562-7567, 2010

  • Journal of Neuroscience 33(47):18661-18671, 2013
  • Journal of Molecular and Cellular Cardiology 72(1):273-280, 2014
  • Journal of Neuroscience 34(7):2702-2712, 2014
  • Heart Rhythm 13(5):1113-1120, 2016
  • Heart and Vessels 33(7):802-819, 2018
  • PLoS One 13(11):e0207437, 2108
  • 特許第5577486号, 2014
  • 特許第5582494号, 2014

プロフィール

  • 「知識と技能を普及させることは…国内あるいは多国間に横たわる不公平を減らす鍵である。(教育が格差社会を是正する。)」トマ・ピケティ著『二十一世紀の資本』より
  • 学生には専門バカではなく、時代が変わっても生き残っていける学際的なルネッサンスマン(万能の人)になってもらいたいと願っていますし、そのための支援を行っています。
  • 趣味:アウトドア、乱読、オーディオ、電子工作
  • 主な社会活動:European Journal of Neuroscience Section Editor Deputy、日本生理学会評議委員
髙松 衛

髙松 衛准教授

Mamoru TAKAMATSU, Associate Professor

略歴

富山大学卒業、富山大学大学院博士課程修了、富山大学工学部講師、富山大学工学部准教授、富山大学大学院理工学研究部准教授、現在に至る

学位・資格等

博士(工学)

専門分野

視覚工学,感性工学,都市景観評価,照明工学

主な業績

安全な陸上交通社会の実現を目指して
長大トンネルにおける照明を用いた覚醒システム(3)~年齢による違い~,照明学会全国大会(2018)
トンネル内照明方式の違いがドライバーの視認性に及ぼす影響ー眼球運動からの考察ー,照明学会全国大会(2017)

プロフィール

大事にしている言葉:
「凡庸な教師は指示をする。
 良い教師は説教をする。
 優れた教師は範となる。
 偉大な教師は内に炎をともす。」(伊丹敬之著「よき経営者の姿」)

研究業績

学習能率を調整するニューラルネットワークの新しいメカニズムの発見

遺伝子変異による不整脈の発症のしくみの解明と医療診断用データベースの基礎構築

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