永濱輝君の研究成果がJapanese Journal of Applied Physicsへ掲載されました。
2025.9.1
M2・永濱輝君の研究成果が学術論文へ掲載されました。
我々の研究グループは、新しい発光機構を用いるエキシプレックスアップコンバージョン型有機EL(ExUC-OLED)35倍以上の動作寿命と優れた電圧安定性を達成することを実証しました。この技術は、ドナー/アクセプター界面で形成されるエキサイプレックスと、それに続く三重項三重項アップコンバージョン(TTU)を介した発光を利用しています。これにより、従来の有機ELで課題であった高い駆動電圧を克服し、1.1Vという超低ターンオン電圧での駆動を可能にしています。また、デバイス内での電荷蓄積を効果的に抑制し、界面での理想的なキャリア再結合を実現することで、駆動電圧の経時変化を伴わない長期的な安定性を両立させています。本成果は、ディスプレイや照明用途における次世代有機ELの高効率化と長寿命化に大きく貢献するものです。
謝辞 本研究は、北陸銀行若手研究者助成金、加藤科学振興会、科研費(JP24K00921、JP25K07818)の助成を受けて実施されました。
掲載誌:Jpn. J. Appl. Phys.
論文タイトル:"Carrier dynamics and degradation behavior in exciplex upconversion type organic light-emitting diode"
著者:Hikaru Nagahama